Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
隣に座り込んでる颯人の顔をちらりと見やると、赤くなった目を丸くしていた。
そんな俺たちを置き去りにして、二人の会話はなおも続いた。
「…なに言ってんの。私は今、颯人とつきあってんの、今更昔の彼氏とヨリ戻す気なんて、さらさらない」
冷たい声音であっさりと切り捨てる茜の声。
それでも林は全然応えた様子もなく、さらに言った。
「どうせまたすぐ飽きて捨てるんだろ?だったらいいじゃん。どうせ七瀬のことだって、見た目だけで選んだんだろ?」
林の台詞に、颯人の肩がピクリと動いた。
茜の答えを聞くのが、嫌なのかもしれない。軽く頭を抱えた颯人のことをじっと見てられなくて、俺は俯いて自分の足下だけを見つめた。
なかなか答えない茜に苛立った。
……もう、颯人を失望させるようなこと、言わないでくれよ。頼むから…。
そう願う俺の僅かな期待は、やっと聞こえてきた茜の言葉に、あっけなく砕かれた……。
「…ふっ、よくわかってんじゃん」