Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
驚いた。
まさかこのタイミングで林が颯人に声を掛けるなんて……。
呼びかけられた本人は、一瞬ビクリと体を震わせてから、俺の顔を見た。
「…知ってたのか?茜が来る事…」
「いや…、林に颯人をここに連れて来いって言われただけで…」
俺自身も戸惑いながら口を開くと、もう一度林が声をあげた。
「なーなせ、そこに居るんだろ?出て来いよ!」
「ちょっ…、なに言ってんの?!」
林の台詞にうろたえている茜の声がする。
それを聞いて、颯人は唇を固く引き締めながらゆっくり、歩き出した……。