Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


驚いた。


まさかこのタイミングで林が颯人に声を掛けるなんて……。


呼びかけられた本人は、一瞬ビクリと体を震わせてから、俺の顔を見た。


「…知ってたのか?茜が来る事…」


「いや…、林に颯人をここに連れて来いって言われただけで…」


俺自身も戸惑いながら口を開くと、もう一度林が声をあげた。


「なーなせ、そこに居るんだろ?出て来いよ!」


「ちょっ…、なに言ってんの?!」


林の台詞にうろたえている茜の声がする。


それを聞いて、颯人は唇を固く引き締めながらゆっくり、歩き出した……。







< 165 / 202 >

この作品をシェア

pagetop