Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
いきなり大声を出した俺を、ビクリと振り返った茜は、負けじと強い口調で言い返してきた。
「私?私が悪いっていうの?なに言ってるの?」
フッ、と俺のことを見下すような視線で、茜は笑った。
「私は別に悪いことなんてしてないわ。汚い目で颯人を見るあなたから、彼を遠ざけてあげただけ。颯人だって、私といて嬉しかったはずよ…」
「やめろ!!」
べらべらと喋る茜の言葉を、今まで黙っていた颯人の声が遮った。
俺も林も、茜も。ハッとして彼に目を向ける。
颯人の顔は無表情。
誰のことも見ていなかった。ただ目線をどこかに彷徨わせているだけだった。
「颯人……」
茜が慌てたように彼に声を掛けた。