Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「どうして…どうして人が人を好きになるのが気持ち悪い?誰かを好きって気持ちは男だろうが女だろうが、関係ないだろ?!例え相手が同じ男だって…その気持ちが本物なら、いいじゃないかよ!」
叩かれた頬を押さえる茜を、怒りの眼差しで見つめる颯人は低い声で言い放った。
「そんなの…都合のいい、言い訳だわ!男は女を好きになるのが普通なのにっ!」
「…普通ってなんだよ!?茜みたいに私利私欲しか考えてない恋愛が普通か?…ふざけるな!」
颯人の怒声に屋上の空気が震えた。
こんなに怒っている彼を見るなんて初めてだ。あまりの迫力に思わず目を丸くしてその横顔を見つめた。
「オマエさぁ、思ってた以上に心が狭いし、頭わりぃよな。少しでも期待した俺が馬鹿だったわ」
心底呆れかえった、という表情をした林が茜を軽く睨んで言いながら、俺の側まで歩み寄って肩に軽く手を触れた。