Forbidden Desire～秋風に舞う葉のように～

「……結局午後の授業サボっちまったなぁ…」


終業のチャイムが鳴り響く中、俺と颯人はまだ屋上の片隅でフェンスにもたれ、西の空を眺めていた。


昼休み、あれから芹沢茜は怒りの形相で教室に戻ってしまい、林もその後いつものヘラヘラした笑顔のまま校舎内へ戻って行った。


「後はお二人で仲良くやれよ～」


なんてふざけた台詞を残して。


……あの野郎…気まずいんだよ、馬鹿！


内心、林に悪態をつきながらも、授業に出る気にはならないという颯人に付き合って、俺は屋上にいた。


まだ空が夕焼けに染まるには間がある。少し寂しげな空には鱗雲が長く連なっていた。


「……なんか、いろいろとごめんな、螢」


フェンスに肘をついていた颯人がポツリと呟いた。


「なに謝ってんの？謝るのは俺だろ？あんな噂立てられる原因作ったのは俺だし、まあ……実際押し倒したし？」


「え？……あ、そうか。ははっ、でもあれこそ俺が螢を試してただけで、悪いのは俺だし」


「いや、俺が悪いんだって！颯人は悪くない」


食い下がる俺に、颯人もさらに言い返してきた。