Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「……後悔は、してない……つもりだった。けど…」


「けど?」


言葉に詰まった俺を促すように、颯人が首を傾げる。


「それ!それそれ!それのおかげで時々すっげぇ自分が嫌になる」


思わず俺は颯人を指差してしまった。それに対して当の本人はワケがわからない、という顔をしている。


まあ、当たり前だよな……。


「それって…どれ?」


「その顔!その首の傾げ方だよ!」


「なにそれ?意味わかんねぇけど…」


「だからぁ……っ!!」


思わず俺は本音を言いかけて口を閉じた。


やば…こんなこと言ったらまた颯人にひかれる…!


「何だよ?言えって!」


「いや、いい!言わない!」


「言えよ!なんで隠すんだよ!」


言えるもんか。


その顔が可愛いすぎて抱きしめたくなる、なんて、さ。


「あ!それより!これこれ、ほら。この前借りた本返すわ」


俺はふと思い出してポケットに無理矢理入れていた文庫本を取り出して、颯人に差し出した。




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