Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
――そんな林の後押しもあって、放課後になると俺は隣のクラスへ颯人を呼びに行った。
教室を出るときに、頑張れよ~、なんて林の声が聞こえたけど、軽く手を振るだけで答えて俺は颯人を捜した。
帰宅する生徒や部活へ行く生徒達がザワザワと騒がしくしているなか、颯人は自分の席に座っていた。また本を読んでいるみたいだった。
俺はチラチラと見られている視線を無視して颯人の机まで歩いた。
「颯人、ちょっといい?」
「あ、螢。なに?」
「この後時間ある?…話があんだけど……」
俺が颯人の机の前にしゃがみ込んでその顔を見上げると、いつもの柔らかい笑顔でいいよ、と答えた彼は席を立った。