Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「ほら螢!今のうち、行くぞ!」


腕を組んだまま颯人はさっさと歩き出した。当然俺は引っ張られてその横を歩く羽目になってしまう。


もちろん廊下にも生徒はいる。
俺達は注目の的だった。


「は、颯人!腕離せよ。みんなにまた誤解されるぞ!」


俺は周りの視線をビシビシ感じながら颯人に訴えた。
けれど当の本人はまだあの笑いを口元に浮かべたまま言った。


「勝手に誤解させとけばいいよ、あながち嘘でもないしさ」


………は?


一瞬、颯人の言った言葉の意味が理解出来なくて足が止まってしまった。


「いたっ!ちょっと螢!いきなり止まるなよ、危ない!」


「今の…どういう、意味?」


学校の校舎の廊下。ど真ん中。
俺と颯人は腕を組んで突っ立っていた……。





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