Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「いろいろ…?」
「そ、いろいろ。まあいつものことだけどね、顔で寄ってきて中身がつまんない、それでフラれるパターン。さすがに何回かそれが続いてヘコんでたから」
そう言って笑う颯人の横顔は寂しそうだった。
「でも…なんかもう、フッきれた」
「え……?」
「…この前の茜のことがあってからさ…もうどうでもいいやって」
颯人はくるっと俺の方へ向き直って、ニッと笑う。
「今まではさ、みんなに言われるイメージの“七瀬颯人”を壊さないように、って思ってた。だけど…なんかもう、本当の自分を隠してるのが嫌になった」
そう言った颯人はスッと立ち上がって、俺を正面から見下ろした。
その顔は、先程教室で見せたあの顔。
不敵な微笑み。
「これからは全部本音でいくから」