Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


強気なその微笑みで見下ろされた俺は、不覚にもその笑顔に鳥肌が立ってしまった。
颯人の姿が今まで以上にカッコ良く見えてしまったから……。


「……お前の本音って、もしかして…前に俺を脅した時みたいな感じ、だったりするわけ?」


俺は、冷たい光を浮かべるその瞳を見上げながら問い掛けた。


「正解」


冷たい奴だよ、俺は。
そう呟いてから、颯人は俺に覆い被さるように上体を屈めた。


整った顔が近付いてきて、思わずベンチの背に貼り付いた。


しかし、それ以上逃げられるわけもなく、颯人の顔はあっという間に目の前。


黒い瞳に妖しい色が浮かんでいた。
薄い唇がニヤリと笑ったかと思えば。


「だから、またコレで螢を脅しちゃおうかな、とか思ってるわけ」


見れば颯人の片手にいつの間にか携帯電話が握られていた。





< 188 / 202 >

この作品をシェア

pagetop