Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
強気なその微笑みで見下ろされた俺は、不覚にもその笑顔に鳥肌が立ってしまった。
颯人の姿が今まで以上にカッコ良く見えてしまったから……。
「……お前の本音って、もしかして…前に俺を脅した時みたいな感じ、だったりするわけ?」
俺は、冷たい光を浮かべるその瞳を見上げながら問い掛けた。
「正解」
冷たい奴だよ、俺は。
そう呟いてから、颯人は俺に覆い被さるように上体を屈めた。
整った顔が近付いてきて、思わずベンチの背に貼り付いた。
しかし、それ以上逃げられるわけもなく、颯人の顔はあっという間に目の前。
黒い瞳に妖しい色が浮かんでいた。
薄い唇がニヤリと笑ったかと思えば。
「だから、またコレで螢を脅しちゃおうかな、とか思ってるわけ」
見れば颯人の片手にいつの間にか携帯電話が握られていた。