Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「いいから読んでみろって。返すのはいつでもいいからさ」
意外に押しが強い。俺は仕方なくその本を引っ込め、ペラペラとめくった。
正直、詩に興味なんてない…。でも颯人が読んでた本……。
少し、読んでみたいな。
そんなことを少しだけ思った。不思議だ。
「じゃあ…借りとく」
小さく呟いた俺は、なんとなくまだぎこちなくて、うまく会話が出てこなかった。
「じゃあ…俺、帰るわ」
「え?もう帰るの?」
驚く颯人の顔が何故かまともに見れず、俺はドアノブに手を掛ける。