Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


俺は少し手を伸ばせば届きそうな颯人の顔を見上げながら、訊いていた。


「……なぁ、訊いていいか?」


「なに?」


不意に颯人の顔が離れた、と思えば、彼はまたベンチに座り直した。


せっかく綺麗な顔が間近で見れていたのに…。


なんてことを少し思いながら、俺は颯人に疑問をぶつけた。


「颯人は…この前俺に訊いたよな?どうすればいい、って……あの時本当はなんて答えて欲しかった?」


「あの時か……ん~……」


そのまましばらく黙り込んでしまった彼を、俺も沈黙しながら待った。


1分、2分……。


なんとなく手持ち無沙汰になったが、ふと先程コンビニに寄って買ってきたホットカフェオレの存在を思い出した。


小さなペットボトルを取り出し、蓋をひねった。


「あ、俺も飲みたい」





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