Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「泣いてんの、螢?」
体を少し離し、颯人が俺の顔を覗き込んだ。
「な…泣いてない!」
「泣いてんじゃん」
涙を見られるのが恥ずかしくて、逸らした顔をまた、颯人の手に捕らえられた。
「螢、俺こんな中途半端だけどいい?もしかしたら……また螢に辛い想いさせるかもしんないし、泣かせるかもしれない」
そう言いながら颯人は俺の髪に触れた。
「それでも螢は俺の側に居てくれる?」
少しだけ首を傾げて問い掛ける颯人に、即座に頷いていた。
「当たり前だろ、そのうち俺がいなきゃダメってくらいに、させてやるから」
冗談めかして、涙目のまま俺は颯人に笑い掛けた。