Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「あ、もしかして…」


唐突に颯人が声をあげ、俺に問いかけた。


「さっきの会話って、聞いてた?」


どくん。


鼓動が跳ね上がった。


「……さっきって…なに?」


ドアノブを見つめたまま、俺は問いを返す。


なんと答えるのだろう?


颯人はフッと息を吐いて、静かに笑った。


「いや、別に。聞こえてなかったんならいいよ」


「……なんだよ?」


俺は何故か聞き返してしまっていた。聞かなくったって、わかってるのに。


颯人がさっきの茜って子との会話を隠そうとしたのが、気に入らなかったのか?





< 20 / 202 >

この作品をシェア

pagetop