Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「あ、もしかして…」
唐突に颯人が声をあげ、俺に問いかけた。
「さっきの会話って、聞いてた?」
どくん。
鼓動が跳ね上がった。
「……さっきって…なに?」
ドアノブを見つめたまま、俺は問いを返す。
なんと答えるのだろう?
颯人はフッと息を吐いて、静かに笑った。
「いや、別に。聞こえてなかったんならいいよ」
「……なんだよ?」
俺は何故か聞き返してしまっていた。聞かなくったって、わかってるのに。
颯人がさっきの茜って子との会話を隠そうとしたのが、気に入らなかったのか?