Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「……もしかして、好き、だったりする?さっき一緒にいたやつのこと?」
心臓の音が、うるさい。
鼓動が、速い。
俺の問いかけに、颯人は少しだけ押し黙った。
…違うって、言って欲しい。
心の中で必死にそう願ってる俺がいる。
理由はよく分からない。でも、そう思ってしまう…。
ふいに、颯人が柔らかな笑みを見せた。
同時に、俺の心がぎゅっと締め付けられる。
ゆっくりと口を開いた颯人の言葉を聞きたくなかった。
「…うん。好きだよ、茜のこと」
耳を塞ぎたかった………。
俺の目には、真っ赤に染まる西の空と、真っ黒なカラスの影。
そして、俺を透かして、茜の顔を思い浮かべ微笑んでいる颯人の顔……。
その瞬間が目に焼きついて離れない。