Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


――放課後、相変わらず俺は屋上にいた。


フェンスにもたれて街並みを見渡す。小高い丘の上にあるこの高校、ここから見る景色はなかなか綺麗だった。


だいぶ西に傾いた太陽が眩しい。
高い空を見上げて、俺は長い溜め息をひとつついた。


先程林から聞いた事が頭の中をぐるぐる回っている。


――七瀬って奴、かなり遊んでるらしいぜ。コロコロ彼女変わるって話。


俺よりひでぇよ、なんて笑いながら言ってた林…。


有り得ないだろ、って思った……けど。


本人に確かめたいと思った。そんな噂、嘘だって言ってほしかった。


「…今日は来ねぇか……」


なかなか現れない颯人に痺れを切らして、俺はフェンスから手を離した。


別に約束してるわけじゃないから、仕方ない。


そう思ってドアノブに手をかけた時だった――。




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