Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
気まずい沈黙が俺と颯人の間に降りた…。
俺に振り払われた彼の手は、行き場を失って、宙に浮いたまま戸惑っている。
「わ、わりぃ!いや……あまりに痛かったからさ…ははっ、ごめんごめん。からかっただけだってば」
下手くそな言い訳を慌てて口に出せば、颯人は訝しげな表情を残しつつも少しだけ唇に笑みを浮かべて、手を引っ込めた。
「ふっ。…なんだ、からかうなよ。マジで心配してやったのに」
心配して損した~、なんて呟いて颯人は俺の隣でフェンスにもたれ、街を見下ろした。
俺は逆に背中をフェンスにあずけ、チラリとその横顔を窺う。
夕日に照らされた颯人の顔が間近。
そんな綺麗な顔を見ながら、ふとさっきまで彼に訊こうと思っていたことが頭に再び浮かんだ。