Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「なあ……噂で聞いたんだけどさ…」
少し躊躇いながら、俺は颯人の横顔を見る。
「なに?」
視線だけこちらに寄越したその瞳を見ると言葉がなかなか出てこない。
ふい、と視線を外して俺は向きを変え、颯人と同じように街を見下ろした。
もうすぐ太陽が遠い地平に沈む。
今日最後の朱色の光を放つそれを、目を細めて見つめながら俺は口を開いた。
「颯人が…ころころ彼女変えて、遊んでるって…ほんとか?」
隣を見ることができない俺は、フェンスにもたれ校庭を見ながら颯人の返事を待った。
長い沈黙…。
やっぱりやめておけば良かったかもしれない。
じわじわと後悔の念が込み上げてきた。
その時、颯人が小さな笑いを漏らすのが聞こえて、思わずその顔を見てしまった。
「聞いちゃったのか、それ」
冷めた眼差しが俺を見てた……。
その顔に、俺の胸はまたドキリと大きく跳ね上がった…。