Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
冷たくなってきた秋風が頬を冷やすように通り過ぎていく。
屋上のフェンスの端に、カシャン、と微かな音をたててカラスが留まった。
ジッとこちらを見てくるその漆黒の瞳。
颯人の艶やかな黒い瞳。
どれくらい黙ったままだったのか。
ふっと颯人の表情が緩んで、冷たい眼差しが奥へ潜んだ。
ふふっ、と小さな声で笑ってから俺から目をそらし、自分の足元に視線を投げた。
「螢は信じてんの?それ」
俯いたまま颯人が問い掛けてきた。
どこか頼りなげな声音で。