Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
颯人に押し返された俺は、我に返った。
…俺、今何した?!
夕暮れ時の屋上には、自らのとった行動に愕然とする俺と。
眉をひそめて、異物でも見るかの様な視線を俺に向ける颯人。
その二人の長い長い影が、コンクリートの上にのびているだけ。
バサバサッ。
ずっとこちらを見ていたカラスがふいに翼を広げ、飛び立って行く。
――屋上の灰色の壁が、真っ赤な夕焼けに染まっていた……。