Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
いつもの人気のない公園のベンチ。
すべての銀杏の葉が山吹色に染まって、公園をすっかり秋の景色に変えていた。
冷える体を暖めようと、いつものコンビニでホットレモンティーを買ってはみたものの、自分は紅茶が嫌いだったとベンチに座ってから思い出した。
なんで紅茶なんか買ってんだ、俺…。
ふっ、と軽く溜め息をついた。
―――あの日。俺が屋上で颯人を抱きしめてしまった日。
あれから颯人には会っていない。
屋上まで足は向くものの、扉を開けるのを躊躇ってしまって結局回れ右。
どんな顔をして颯人と会ったらいいのかわからない……。