Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「はぁ……」
俯いて溜め息をついた時だった。
乾いた落ち葉を踏む音と、小さく息を呑む音。
「あ……」
顔を上げた俺の視線は数メートル先に立つ人間にぶち当たった。
颯人…と、誰?
当惑した表情の颯人の隣にもう一人。
背が低くて髪の長い、可愛い女子生徒が立っていた。
すぐに分かった。
この女があの、茜って子だってこと。
「…………」
俺と颯人が無言で見つめ合ってるのを不思議に感じたんだろう、彼女は小さく颯人に問い掛けた。
「ね、知り合い?」
細く白い指が、颯人の腕に触れた。
……!!
それだけで、俺の心はイラついて、手にしていた紅茶のペットボトルを思い切り握り締めた。
ベコリ。
静かな音が手の中で鳴る。