Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
冷たい。
指先から、足のつま先から、体が冷たくなっていく気がした。
反対に、自分の顔が、頬がすごく熱く感じる。
俺の視線は、颯人の顔じゃなくて、女の指先にしか注がれていない。
「茜、ごめん。今日は先に帰ってくれる?」
俺の視線に気付いたのか、颯人はさり気なく彼女の手から逃れ、優しく囁いた。
「え?だって今日はこれから…」
「ごめん。こいつと大事な話があるんだ。埋め合わせは絶対にするから、ね?」
頬を可愛く膨らませている茜に、柔らかい声で諭すように。
そして……。