Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「そうだよ…」
ぽつりと呟いて、俺は一歩颯人の方へ踏み出した。
――止まれよ。
僅かに残っていた理性か、もう一人の自分が頭の中で囁いた。
一歩、また進む。
颯人の瞳が俺を睨みつけてくる。
口元にはまだかろうじて笑みが浮かんでいる……。
「認めるんだ?」
颯人が吐き捨てるかのように問い掛けてきた。
――違うって言えよ。
また一歩、颯人に近付く。
俺の足は止まらなかった。
ゆっくり。ゆっくりと数メートル先にいるヤツの方へと進んだ。