Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
公園を通り抜ける風に撫でられ、颯人の漆黒の髪が揺れている。
その、サラサラと揺れる髪に、触れたいと思った。
一歩、また一歩。
「認めるさ。俺は……」
そこで一度、息を吸い込んだ。
「俺のことが、好き?」
一瞬躊躇った台詞を、颯人が継いで口にする。
微かに首を傾げている様子に、俺の鼓動は速くなった。
自分の心臓の音が、耳障り。
まるで全身がドクドクいってるみたいだ。
周りの景色が目に入らない。
ただ、目の前にいる颯人しか見えていなかった。
俺はゆるゆると右手を、颯人に向かって延ばした。