Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「……まじで離してくれよ…。苦しい…」
颯人の小さな声に、自分がかなり強く腕を締めていたことに気付いた。
途端に罪悪感がこみ上げてきて、思わず腕を離した。
「わ、悪い!」
どうやら俺の最後の理性は踏みとどまったらしい。
今、颯人に触れていた部分が秋風に晒されて、すぅっと温度が下がったように感じられた。
もう少し、触れていたかった。
俺の腕から解放された颯人は、思ったよりも柔らかな表情でこっちを見ていた。
てっきり怒ってるだろうと思っていた俺には驚きだ。
「螢……」
うっすら微笑みを乗せた艶やかな唇が、俺の名前を、呼んだ。