Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「……った、のか?」


声を出したつもりなのに、掠れた。


喉がカラカラだ。


「え?なに、聞こえない」


わざとらしく耳に手をやって、首を傾げる颯人の表情は俺を嘲る笑みを浮かべている。


グッ、と拳を握り締め、俺は唇を噛んでいた。


そしてもう一度。


「…俺を……カラかった、のかよ…?」


絞り出すように、それだけ言うのが精一杯だ。




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