Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
錆びた扉のすり減ってそこだけツルツルになってるドアノブを捻って、俺は屋上へ出た。
心地良い風が通り過ぎ、髪を掻き乱した。
「気持ちいいなぁ…」
両腕をうんと伸ばしながら、フェンスまで歩く。
片手をかけるとカシャン、と音をたてた。
このフェンスの軽い音が好きだった。
何故?と聞かれても答えられないけれど……。
フェンスの高さは低い。おれの胸の高さくらいまでしかない。
(自殺し放題だな…)
まあ、しないけど。
クスリと自分のひねた考えに笑みを浮かべ、フェンスに頬杖をついた時だった。
「飛び降りないのか?」