Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「……なぁ、こんなことして面白いか?」


笑い続ける颯人を見下ろしたまま、ポツリと呟いた。


「なんで……俺は、ただ……颯人のこと、が…好きなだけ、なのに。……なんでこんな……」


無性に悔しくて、悲しくて、やり切れなくて……。
目頭が熱くなった。


ジワリとこみ上げてくる嗚咽と、涙を、零れさせたくなくて、唇を思い切り噛んだ。


―――涙なんか、見せたくない…!


泣くのを我慢してる顔を見られないように、俺は颯人から離れ、立ち上がった。


背中を向けた。


その背に、颯人の声。


「……面白いね。すごく」




< 80 / 202 >

この作品をシェア

pagetop