Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
それはきっと涙が見せた錯覚だったのだろう。
颯人は相変わらずの冷たい声音で、また口を開いた。
「さぁて、螢には何をしてもらおうか?」
「……え?」
ゆっくりと焦点の合った目に映ったのは、悪戯を思いついた少年のような笑みを浮かべる颯人の顔。
先程携帯電話で写した画像を片手にちらつかせ、俺の顔にその綺麗な顔を近付けた。
「言うこと、聞いてくれるだろ?螢?」
あぁ……そういうことか。
俺は、心の中がじわじわと絶望に染まっていくのを感じた。
ただ、目の前の颯人の顔を茫然と見つめることしかできなくて――――。