Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「なに、してんの?」
「……?!」
唐突に掛けられた声に驚いて、バランスが、崩れた。
ぐらり。視界が揺れ……。
やべぇ…落ちる!
反射的に目を瞑っていた。けど。
「……っ螢!!」
名前を呼ぶ声と同時に強い力で腰を掴まれた。
一瞬、時が止まったような気がした次の瞬間。ドサリと鈍い音と共にコンクリートの地面に叩きつけられていた。
肘を強か打ちつけ、顔をしかめるが自分の下に人の感触を感じてはっとした。
慌て相手の顔を見れば。
「颯人!?」
俺と一緒に倒れたのだ。しかも、俺を庇って…?!
「颯人!お前…っ、大丈夫か?!おいっ!……颯人!?」
話しかけても返事がない。颯人は目を閉じたままぴくりともせず、気を失っているようだった。
頭を打ったのかもしれない……とりあえず、保健室か!?
俺は内心かなり焦りながらも、あまり揺らさないよう颯人の体を抱き上げ、保健室へ向かうことにした。