Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


そっと立ち上がって、ゆっくりと俺は颯人に近付いた。


規則正しく繰り返される呼吸がはっきり聞こえるくらいに。


……これで、最後にするから…。


そっとベッドに手を掛ける。ギシ…スプリングの悪いマットがぎこちない音を立てた。


左手で自分の体重を支え、右手を颯人の髪へ伸ばした。


さらり、黒い艶やかな髪を一束。
手で掬ったそれにゆっくりと唇を寄せた。


ふわりと微かに甘い香り。


あぁ…この前と同じ匂いだ。








< 91 / 202 >

この作品をシェア

pagetop