Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
そっと立ち上がって、ゆっくりと俺は颯人に近付いた。
規則正しく繰り返される呼吸がはっきり聞こえるくらいに。
……これで、最後にするから…。
そっとベッドに手を掛ける。ギシ…スプリングの悪いマットがぎこちない音を立てた。
左手で自分の体重を支え、右手を颯人の髪へ伸ばした。
さらり、黒い艶やかな髪を一束。
手で掬ったそれにゆっくりと唇を寄せた。
ふわりと微かに甘い香り。
あぁ…この前と同じ匂いだ。