Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


そっと足音をたてないように、俺は颯人に背を向けて保健室を出る、つもりだった。


なのに。


なんで……。





「螢……」





微かに名前を呼ばれた気がした。


ゆるりと振り返ったそこには、制服の上着を掴んでいる颯人の指。


いつの間にかベッドから上半身を起こして、こっちを見ている颯人の視線にぶつかった。





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