覚悟はいいか!【完結しました】




「そんなことが!何ですぐに連絡しなかったんだよ!」


慶太からの話は想像を越えるものだった
内容につい声を荒げてしまう

悪いのは慶太じゃないのに


「今週末にはお前が帰ってくるし、優ちゃんに頼まれて
必ずお前にも話すことを条件に、悪かった」

「いや、悪い、悪いのは俺だよ、二ヶ月も前からなんて気付かなかった」


俺は優の何を見ていたのだろうか
一緒に住んでいたのに
俺がいなくなった途端に嫌がらせは加速したなんて
毎日電話してたのに


「今回のことも何か関係あるのか?」

「わからない、見つかった時は一人で……
優ちゃんは意識無かったから
でも、もしそうなら社内の人間の可能性が高い」


そうだな、社内
やっぱり秘書課の人間か?


「津川優さんの付き添いの方は?」


看護師が呼びに来た
一気に緊張が走る


「医師から説明がありますのでどうぞ」


案内されて出会った医師に驚いた


「「菊地?」」

「あら、浜口くんに武内くん?」



その医師は高校の同級生だった
高校の時から医師を目指していた彼女の名札には菊地から川口となっていた


「津川さんとは?」

「俺の婚約者だ、慶太の秘書をしている」

「そう、会社で階段から落ちたんだったわね」

「菊地………優は?」

「細かい話は両親とになるけど」


そう言って、レントゲン写真や結果を見ながら菊地は少し顔を強ばらせた


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