覚悟はいいか!【完結しました】
「誠さん、優は………優は大丈夫なんですね?」
「あぁ、命には別状ないって」
美幸ちゃんは今すぐ行くと言って泣き潰れている声が聞こえる
菊地に言われたことを伝えた
「明日元気な二人の顔見せてやって」
両親が病院に着いたのは日が変わってからだった
優の父親は「君がいてくれて良かったよ、遅くなって悪かったね」と優しく背中を撫でてくれた
優と同じで優しい人達だ
一緒に住むときに挨拶に行かせてもらった時も娘への想いを強く感じた
そんな優を…………
俺はただただ、謝った
慶太が言うには俺関係の可能性が高いと
俺を好きな女じゃないか?心当たりは?と聞かれたがよくわからない
俺が声を掛けていた女?
さやかじゃないかとも言われた
優が俺の事に巻き込まれた事には間違いないだろう
ただ、謝る俺にきっと何かがあったことを勘づいたと思う
それでも、両親は「君が守ってくれるんだろう?」と言ってくれる
俺は悔しさと情けなさで涙が止まらなかった
そのあと、両親と医師が話をしていた
こんな時、家族ではない自分が辛い
一時、出血多量で危なかったらしいと両親から聞いた時は震えた
失わなくて良かった
優がいま、ここで生きている事実だけが嬉しかった
「私たちがここにいると優が安心できないわね」と優のお母さんに言われて両親と一旦帰ることにした