覚悟はいいか!【完結しました】




「じゃあ、はっきり聞くわね、階段から落ちた時誰かと一緒にいた?」


私は驚いて女医さんを見て首を横に振った


「そう?頭の検査はしてるけどあとから症状が出ることもあるから吐き気とか頭痛が出ればすぐに言うこと」

「はい」


川口医師はそれ以上聞くことはなく
誠さんが戻ってきて入れ替わる用に出て行った
誠さんは、すぐに傍に座って私の手を握った


「痛くない?」

「うん」

「優…………ちゃんと俺の目見て答えて
優、階段から落ちた時、誰といた?」

「…………一人だったよ」

「優……………」


誠さんの手が頬に触れて涙を拭ってくれる
私は首を横に振る

言えないよ
言いたくない


「優…………頼むから」


私はただ、首を振った



誠さんは、何度も懇願していたが私は言えなかった
言えば私もそれを受け入れないといけない
姉の様に優しかったあの人を

そして、あの人がどうなってしまうのか



「優………こっち向いて」


目が覚めてから一週間
身体の痛みはマシになってきて動けるようになった
それでも、左腕と肋骨の骨折もあるのでまだ無理は出来ない


毎日、両親、姉以外にも誠さん、社長、美幸と隆也が来る

そして、皆から落ちた時の事を聞かれる
言わないといけないことはわかってる


でも、弱虫な私は事実を伝えられないでいた
段々追い詰めれて貝のように話をしなくなってしまった

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