覚悟はいいか!【完結しました】




「優…………」


優しく触れる誠さんの手に私は頬を寄せた
優しい温もり

離れなくて良かった
無くさなくて良かった


「抱いていいか?」


退院してからの誠さんの過保護っぷりは更に周りを呆れさせていた
退院して二週間
身体はもうすっかり元通り
明後日からは会社復帰だ
最後の週末


私はコクリと頷いた
瞬間、待てないとばかりに唇が塞がれた

私は抵抗する気もなく誠さんに抱きついた


「優、愛してるよ」


意識を手放す微睡みの中、誠さんの言葉が聞こえた
"私も"と言う言葉は聞こえただろうか


久しぶりの甘い疼きに私の意識は無くなった




「ん…………」


胸を這う刺激に目が覚めてくる
何度も行き来する手は大きくて、その手を無意識に払おうとすると掴まれた


「優、触らせて……」

「誠さん、や、ん………」


寝起きには少し刺激的すぎる
だんだん覚醒する中で感じる硬い感触に自分の危険を感じた
咄嗟に身体を離してベットから降りた
突然の動きに誠さんは、成す術も無かったようで離れてしまった私と目が合うと悔しそうに眉間に皺を寄せた

いやいや、誠さん!
私の身体がもちません!


「俺の準備出来てたのに」


知ってます!
当たってましたから!


「優…………明日からは仕事復活だろ?
もう、こんな風に抱くのは週末までお預けだろ?
もっとイチャイチャしようよ」


い、イチャイチャって………
"ね?"と可愛いふりをする誠さんは、今は狼だ


あぁ、なんだかな
これが私たちの毎日だ

久しぶりに感じる幸せと
戻ってきた毎日に
抵抗を諦めた私はもう一度ベッドに身体を滑り込ませた

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