覚悟はいいか!【完結しました】
「誠さん………」
「たか、や………」
呼ばれて振り向けば、想像はしていたが想像以上に衰弱した男に言葉が詰まった
いったい…………
「お疲れ、座れよ」
「はい」
悟と目が合うが同じ事を思っていた
イケメンが台無しだな
「優からメッセージ来てました、すみません今日は………美幸が……」
「いや、俺は隆也のとこに行っていいか?」
「はい、お願いします」
「……………」
「……………」
何故だか沈黙が続く
これは思っていたよりも深刻な事態か
「隆也、振られたのか?」
そう聞いたのは俺じゃない
さ、悟!はっきり聞きすぎだろ!
いや、でも今の隆也の様子を見ているとそれくらいしか思い当たらない
「……………っっ、はい」
隆也は苦痛に顔を顰める
その姿に、俺だって胸が苦しくなった
もし、優に………なんて考えたら普通では居られない
「なんで?」
「わかり、ません、仕事中にメッセージがあったから………
何度も何度も連絡したんですが………繋がらなくて
今日は全く仕事になりませんでした
優から連絡貰えて良かったです」
「メッセージって…………そんな大事なこと…………」
メッセージで済ますなんて美幸ちゃんらしくない
美幸ちゃんも本心じゃないはずだ
もしかしたら、優の時のように誰かの差し金かもしれない