覚悟はいいか!【完結しました】
「三週間の間、美幸からは?」
「…………それとなく、言った」
「それとなく………」
きっと解りにくいだろう
でも、隆也なら絶対わかってるはず
「でも…………断られて…………
その日、一人で出掛けた先で隆也が女と歩いてたの」
「え?隆也が?」
「うん、その時気付いたの
今まで隆也がずっと気持ちを伝えてくれて
私はすごく守られて、大事にされてきた
こんなに会わなかったら、その間に隆也には隆也の生活があるんだって
当たり前なのに………
たった一回、そんな光景見ただけで私は弱い」
「美幸…………」
隆也が美幸一色だったように、美幸もだ
学生時代から他の男に目もくれず
ただ、隆也を…………
相思相愛ってこういう事なんだなって思ってた
たった一回でも、信じられないのは私も一緒
美幸以上に私が信じられない
"あの"隆也が……って
「そのあとも連絡は?」
「あったけど、体調悪いって言って誤魔化してた
でも…………また、会ったの」
「まさかまた?女の人と?」
美幸は首を縦にふった
確かに隆也と美幸は同じ沿線を使っているけど
そんなに?会うことある?
そうか、いつもは隆也が美幸にベッタリだから…………
二人の姿しか知らないんだ
美幸の言う、二人が一緒にいない時はこれが現実なの?
「同じ人だったと思う」
「そうなの?」
「だから………
隆也に好きな人が出来たんだと思う」
美幸はまた、唇を噛み締めた