覚悟はいいか!【完結しました】

反省しろ!side誠




何も言えなかった
隆也と優のやり取りに俺が口を挟む間は全くなかった
と、言うより………
ただ、優に圧倒された

怒ってるのはよくわかった
怒鳴るとかではないが、淡々と冷静に話をしていたのが逆に怖くて

ふと、思った


これがもし、逆なら
今の隆也が俺で
優が美幸ちゃんなら………と思うと寒気がした


隆也は何度か優に頼んでいたが最後まで優は"会うこと"だけは私が説得すると言い張った


「隆也…………美幸ね、"隆也に好きな人が出来たんだと思う"って言ってたの
その意味わかる?
美幸はそう感じる程に隆也がわからなくなったんだよ
それで、身を引いたのよ」


優はそう言って、部屋を出て行った
俺は、項垂れている隆也の頭をポンと撫でる


「俺……………情けない」

「そうだな、お前、情けないわ
全力であれだけ美幸ちゃんを愛してたのにな
"好きな人が出来た"なんて思わせたんだぞ
10年がたった3週間に負けるほどに美幸ちゃんを傷付けたんだ」

「誠さん…………」

「優から説得してもらわないとお前は美幸ちゃんと結婚できないのか?
それくらいの気持ちなのか?」

「違います!俺はずっとずっと美幸が一番です!」

「あぁ、知ってる
美幸ちゃんにちゃんと伝えて、結婚しろ
それが出来るのはお前だけだろ?
だから、優は"会うこと"はちゃんと、説得してくれるんだろ?」


隆也は、ハッとした表情を見せて唇を噛み締めた
隆也だって冷静にならないと



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