覚悟はいいか!【完結しました】

お騒がせ夫婦




「誠さん、色々すみませんでした」


誠さんと一緒に隆也の家から出て、ファミレスに入った
そこで初めて今日、誠さんと向き合った気がする

優しい眼差しに、詰まっていた物が溢れそうになるのを我慢した


「いや、優の怒ってるのも新鮮だったよ
ちょっと、怖かったけど」


きっと緊張してる私を落ち着かせようと、そんな事を言ってくれる誠さん
私は自然に笑顔になった

不意に誠さんの手が頬に伸びてきてそっと触れる
"可愛い"と言いながら確認するように撫でていく
恥ずかしくすると、また"可愛い"なんて言うから…………


誠さん、甘すぎます


「はぁー、このまま家に連れて帰りてぇ」


頭を抱えて項垂れるから、私は慌てた
誠さんはチラッと私を見ると"意味わかるだろ?"と、これまた妖艶な瞳を向けてきた

男性なのに、私より色気があるってどういうこと?
ほんと、誠さんには困る


「わかってるよ、ちゃんと解決してからな」


先の行為を仄めかす誠さんに私はやっぱり、恥ずかしい
"だから、そんな可愛い顔すんなって
ここで襲うぞ"

いや、だから、甘すぎます
このやり取りまだ続くんですか?


その時、良いタイミングなのか悪いタイミングなのか私の携帯が鳴った
それは、美幸からで


え?早くない?
ファミレスに入ってまだ、10分くらいだ
まさか、決裂?


私は誠さんに目配せして慌てて電話に出た





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