覚悟はいいか!【完結しました】
ヘタレ男の出来上がり
残念なイケメン
初めて会った時、今まで会った男子の中でもダントツにイケメンで驚いた
"南隆也"と紹介されたそいつは、あろうことか私を一睨みした
何で私が睨まれないといけないのよ!
「津川優です」
よろしく、と言うのは止めておいた
"よろしく"するかは、わからないし
何故だかずっと睨まれてるから私も睨みながら目を逸らさない
「優…………?」
紹介してくれた美幸が心配そうに私を覗き込んでくるから私は慌てて睨むのを止めた
何故だか負けた気分…………
でも、視線を感じてチラッと南くんを見れば何故だか今度は私を羨ましそう?に見ていた
羨ましそうな視線なんてわからないけど………
南くんの視線はそう感じるなぁ………
そんな事を思いながら私は美幸に視線を向けた
「美幸の幼なじみなんだね」
「うん、小学校は違う校区になってて」
「そっか、幼なじみって良いね
私は小学校上がる前に引っ越してきたから本当の幼なじみって居ないなぁ
羨ましい」
「そ、うかな?隆也だしそうでもないよ」
「美幸~今日から俺が居るからな!」
ニコニコ顔で美幸を見る南くんにピンときた
なるほど、南くんは美幸が好きなんだな
でも、小学校の時からモテモテの美幸だし
中学になったら、更にモテそうだし
南くんの様なイケメンが傍に居れば男子も諦めやすくて良いかも
変な男子にも絡まれないだろうし
まぁ、私が南くんと関わるなんて無さそうだなぁ、なんて軽く考えていた