覚悟はいいか!【完結しました】



「お前の事は好きだった
始めて会った時から
でも、社内恋愛はしないって言うし俺なんて恋愛対象にはならないんだろうと思って
だから、今まで通り他の女で試したけど、全然ダメで
心のどっかでお前をずっと想ってたんだと思う
だから、昨日はラッキーだった」

「ラッキーって」

「ラッキーだろ?お前を抱けた
最高の夜だったよ」


ストレートな言葉にまた、全身が熱を帯びる
そんなこと、言われたことない


「5年も女抱けないとさ、やっぱり自信なくなるし
俺は欠陥品なんだって思った
セックスだけが全てじゃないけど、やっぱり男だろ?
好きな女は抱きたい
それでもお前に対して好きな気持ちはあっても、抱けるかわかんなかったけどな」


あの時、震えていた手は怖かったんだ
5年間も………


同じだと、思ったのかも

抱けない彼と
抱かれない私

同じ傷だと思ったのかも知れない


きっと昨日の事は、お互いの傷の舐めあいだったんだ


「俺はもうお前しか要らないから」

「え?」

「こう見えて、女の経験数は少ないからな
しかも5年間もなんもなかったんだ
それでも、お前を抱いた時泣けた
俺の5年間も無駄じゃなかったって
神様がお前を俺に会わせてくれたんだって
ヤり逃げだって?
お前があまりに、いい女でセックスも良かったから怖じ気づいたんだろ?
小さい男だ
変な性癖もないから心配するな」


私も全てが報われた気がした


「だから、もう一回抱かせろ」




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