覚悟はいいか!【完結しました】



「う、……………美幸にも聞いたけど……………同じ答えだったんだよ!くそっ!」

「だったら、ダメ!」

「ま、負けないからな!」


捨て台詞を吐いて去っていく後ろ姿は泣いていた
負けないからな!って
思わず笑ってしまう


正直、隆也の気持ちは美幸だってわかってる筈だ
美幸はどうなんだろう?
あまり興味がないのもあって美幸には何も聞いたことがなかった


「美幸、隆也がお昼一緒に過ごしたいらしいよ」


お昼は1組と3組を行き来している
今日は1組
隆也がいないのもあって聞いてみた

美幸は眉を潜めた
心底嫌そうに

美幸は隆也の事は全く好きじゃないのだろうか


「優と一緒の時はあいつの話したくない」


きゅんと胸が鳴った
むっと尖った唇に何人の男子が悶えただろうか
一番、悶えたかったであろう男の姿は頭から削除した


「あ、」


美幸はさも面白そうな事を思い出したかの様に満面の笑みを浮かべた
そんな顔も可愛いなんて…………


「今度の実力テストの結果、優より良かったら一緒に食べても良いかも」

「え?」

「うんうん、そうしよ!ね?」


ね?と可愛く言われても………


「いや、別にそんな事しなくても諦めるでしょ」

「優はわかってないよ、隆也のしつこさ………」


これまた、心底嫌そうに……
今まで、何があった?


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