覚悟はいいか!【完結しました】
「負けないからな!」
がっつりと恋愛にベクトルを向けている隆也に宣戦布告をされたけど
「「え?マジ?」」
じーっと紙を凝視する四つの目
そのまま、驚いた目を向けられて一歩下がってしまう
「優!すごい!流石だね!全国一位!トータルでも10位!」
自分の事のように喜ぶ美幸とは真逆の視線を感じる
実力テストの結果
見た途端、「聞いてない!」と直ぐ様叫んだ隆也を美幸は「バカ!うるさい!」と一蹴
恨みがましい目を向けられているが、知ったこっちゃない
「私もビックリだよ」
「小学校の時は数字で出ないしね、流石!優だね!
隆也、じゃあね!優とお弁当食べてくるね!」
ルンルンとスキップしそうな美幸の姿に少しだけ隆也が不憫に思う
「次は負けないからな!」
これまた、捨て台詞を吐いて去っていった
やっぱり背中は泣いていた
「美幸は隆也の事きらい?」
お弁当を食べながら、私はちょうど良いと思ってはっきり聞いた
ちょうど一ヶ月が過ぎて、この一ヶ月隆也と美幸のやり取りや様子を私なりに見てきた
美幸も好きなんだと思う
何か踏み込めない理由があるのだろうか?
はたまた、私の思い違い?
「嫌いじゃないよ………」
だったら、すき?
この言葉は飲み込んだ
見たことがない美幸の様子に私の胸はまた、きゅんと音を立てた