覚悟はいいか!【完結しました】




「社長秘書?」

「うん………」


今日はいつものバーではなく居酒屋に
バーだとマスターに聞かれちゃうかも知れないから


「ふーん、とうとう来たって感じね」

「どういうこと?」

「あんた、秘書の仕事あってると思うよ
頭良いから経理も完璧だろうけど
基本は面倒見はいいし、フォローも上手だし
覚えも早い
人の顔と名前覚えるのも早かったしね
経理に長かったから、会社もそこまで考えてないのかなぁとは思ってたけど
さすが、あんたの会社ね、社員をよく見てるわ」


いや、そんなイイモノではないんです、美幸さん
私は肝心な事が言えないでいた


「で?」

「え?」

「なんで、急に社長秘書?秘書課に異動だけじゃなく"社長"ってとこに意味ありなんでしょ?」


さすが、美幸だ
美幸こそ、秘書が似合うんじゃ?


「えっと、部長いわく、一目惚れしたとかなんとか………」

「やっぱりね、あんたのとこの社長イケメンだよね
羨ましい~」


棒読みでちっとも羨ましいなんて思ってないのが丸わかり
他人事だと思って


「誠さんには?」

「今日聞いたばっかりで、美幸に相談したくて、この後会うからその時に………」

「絶対、ちゃんと、言いなさいよ!
面倒な事にならないようにね!」


部長と同じ事を言う親友
やっぱり、面倒な事だよね


「でも、あんたも3年目だよね?
スキルアップにはいい年数よ
秘書なんて雑用係みたいなものよ
あんたには合ってるわよ」


親友の言葉に私は簡単に墜落
親友の言葉は偉大だ


< 58 / 178 >

この作品をシェア

pagetop