覚悟はいいか!【完結しました】
「社長秘書?」
「うん………」
今日はいつものバーではなく居酒屋に
バーだとマスターに聞かれちゃうかも知れないから
「ふーん、とうとう来たって感じね」
「どういうこと?」
「あんた、秘書の仕事あってると思うよ
頭良いから経理も完璧だろうけど
基本は面倒見はいいし、フォローも上手だし
覚えも早い
人の顔と名前覚えるのも早かったしね
経理に長かったから、会社もそこまで考えてないのかなぁとは思ってたけど
さすが、あんたの会社ね、社員をよく見てるわ」
いや、そんなイイモノではないんです、美幸さん
私は肝心な事が言えないでいた
「で?」
「え?」
「なんで、急に社長秘書?秘書課に異動だけじゃなく"社長"ってとこに意味ありなんでしょ?」
さすが、美幸だ
美幸こそ、秘書が似合うんじゃ?
「えっと、部長いわく、一目惚れしたとかなんとか………」
「やっぱりね、あんたのとこの社長イケメンだよね
羨ましい~」
棒読みでちっとも羨ましいなんて思ってないのが丸わかり
他人事だと思って
「誠さんには?」
「今日聞いたばっかりで、美幸に相談したくて、この後会うからその時に………」
「絶対、ちゃんと、言いなさいよ!
面倒な事にならないようにね!」
部長と同じ事を言う親友
やっぱり、面倒な事だよね
「でも、あんたも3年目だよね?
スキルアップにはいい年数よ
秘書なんて雑用係みたいなものよ
あんたには合ってるわよ」
親友の言葉に私は簡単に墜落
親友の言葉は偉大だ