覚悟はいいか!【完結しました】
秘書課配属の日



「荷物これだけ?」

「はい、あとは引っ越し屋さんに頼んでます」


あの後の誠さんは、早かった
その週末には両家の両親に挨拶して同棲を認めてもらった

私は週明けには部長から正式な人事異動を言い渡されて了承した
秘書課への異動は二週間後

仕事を引き継ぐには時間は足らない
だけど、暫くは経理課のフォローもできるとの事で部長は渋々納得したらしい


そして、なんと誠さんは、部長になった
初めての20代の部長

「打診はずっとあったんだけど、まだ器じゃないって断ってた
でも、優が頑張ってるのに俺が尻込みしたらダメだからな」
って、言ってる瞳は凄く素敵で惚れ直した
私が選んだ人は間違いなかったんだって



そして今日、誠さんのマンションへ引っ越し
誠さんのマンションの方が遥かに広いし、警備も厳重だ
仕事場からは少し遠くなるが電車の沿線は便利だから問題ない

誠さんは、終始ご機嫌だった


「今日は引っ越しソバにする?」

「いや、今日は外食
ディナー予約してるんだ
お洒落して行こう?
これから忙しくなるんだから、今日くらいはゆっくりしよう?」

「はい」


私の頭は自分の持っている服を考えていた
少しでも綺麗だと思って欲しい

素敵な誠さんの隣が見合う様になりたい



「優………凄く綺麗だ
ヤバイな、今から抱きたいくらいだ
誰にも見せたくないな」

「誠さんも、凄く素敵です」


私たちは"恥ずかしな"って笑い合った
何、言ってるんだか


私は誠さんの腕に手を添えた


凄く幸せな日だった



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