覚悟はいいか!【完結しました】
「津川優です、よろしくお願いします」
私は頭を下げた
暫くの沈黙
私はゆっくりと頭を上げる
「…………今日から津川さんは俺の秘書になるから
第一秘書はそのまま神崎室長ね
津川さん、神崎室長に色々聞いて」
「はい」
「じゃあ、津川さんこっちきて」
「しゃ、社長!」
秘書課の初日
社長と神崎室長の後をついて、部屋を出ようとした時後ろから呼び止められた
「どうして、津川さんなんですか!
どうして、私たちからじゃないんですか!」
大きな声にビクッと身体が反応する
私を睨み付ける瞳や身体全体で私を威嚇していた
周りを見れば、みんな同じ様に私を見ていた
こんなに敵意を向けられた事がなくて私は俯いてしまう
俯いても感じる視線は恐怖でもあった
「そう言う所だよ」
「え?」
「秘書課にいたいのなら言動を慎みなさい
君達も、そんな敵意むき出しの目を俺の客人にされたら堪らないからね
秘書課の主任である君が本来率先して挨拶するべきだろ?
君達は挨拶もないんだね」
社長はそれだけ言うと、もう一度私を促した
私は俯いたまま、後を追った
社長室に入って社長は大きなため息を吐いた
「俺、言い過ぎたかな?」
社長って言うからもっと怖い人かと思った
社長室に入ってからの社長は先程の秘書の方に怒っていた時とは全然ちがう