覚悟はいいか!【完結しました】
秘書課の人達
バン!
大きな音が響いたが、その音に咎める者はいない
ここ数日、見慣れた光景だからだ
「これ」
「はい」
私はその音の正体である大量の書類に目をやった
ため息が出そうになるのをなんとか堪えたのは誉めて欲しい
秘書課に配属され社長秘書に任命されてから一週間が経った
もちろん、すぐに社長に同行なんてできない
秘書初心者の私はまずは秘書の仕事は何たるかすらわからないのだから
社長と神崎室長が出掛けるなり秘書室の空気は一気に変わる
大量の書類が私の仕事なのかどうかはわからないが、今の私には有難い仕事だ
たぶん、いや、絶対これは嫌がらせだ
急に社長秘書になった私への
確かに、挨拶した時の敵意むき出しの様子は怖かった
でも、それ以上に社長と神崎室長の方が怖かったし
"優秀な方たちです"と言われていた通りそのあと、きちんと挨拶もしてくれた
居心地がいいとは言えないが今はこの大量の書類のおかげで時間の経過は早い
学生時代の美幸ってこんな感じだったのかな?
美幸は隆也と付き合っていたのもあって女子からの嫉妬されていた
でも、隆也が守りきったんだろう
私は今の現状で強くあれるのは誠さんの存在だ
そういう人が居てくれるのは有難いな
私はまだ、何にもわかってなかった
これはただの、序章に過ぎないことを
呑気に仕事を続ける私にはみんなの目が変わって行った事を………
秘書課に配属されてから二週間後私は社長への同行が始まった