覚悟はいいか!【完結しました】




「津川さん、この資料さがしてもらえる?」

「あ、はい」


手渡されたメモを持って資料室に向かった

資料室は二つあって、

第一資料室は役職以上の人たちとその秘書しか使えないので鍵を総務課に取りに行かないといけない

第二資料室は誰でも入れて、最後は警備員が確認して鍵を閉める事になっている


今回、渡されたメモは第二資料室のもの
終業時間も近付いていたので私は急いで資料室に向かった


今日はノー残業デーなので資料室で探し物をしていても追い出される
特に資料室への出入りは徹底してるのだ


役職付けの人たちはそうもいかないだろうし
そう言っても残ってる人たちはいるのも事実
でも、やっぱりいつもよりは遥かに少ない


「えっと、26年の資料は………」


あった、言われた資料を全て揃えれたので資料室を出ようとしたら、開かない……
え?
ガチャガチャとドアノブを回すが開かない



うそ!
閉められた?
どうしよう………
私は資料を置いて扉を叩いた


「すみません、誰かいませんか?」


金曜日の今日はノー残業デーだ
資料室になんて来ることはまずないだろう
秘書課の誰かが気付いてくれないかな?
戻ってこない私に気付いて資料室に………


「それは、ないかな?」


一人呟いた声は少し響いた

初日のあの目
そのあとは緩和されているけど嫌われているはずだ
探してもらえるとは思えない

今、何時かな?
資料室の時計を確認すると17時40分
終業時間は過ぎている


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